教師が学習者に向けて話すときに行う、意図的な話し方の調整。話す速度を落とす、既習語彙に置き換える、複雑な構文を避ける、区切りとポーズを増やす、言い換えや繰り返しを加える、理解できているか確認する、といった工夫の総体を指す。
似た概念にフォリナー・トークがある。こちらは教師に限らず、母語話者一般が非母語話者に向けて行う調整で、文法を崩した「ニホンゴ ワカリマスカ」のような形になることもある。ティーチャートークは教育的な意図をもち、正しい日本語のまま調整する点が異なる。養育者が幼児に向ける話し方はケアテイカー・トーク(マザリーズ)と呼ばれる。
調整しすぎると、学習者が自然な日本語に触れる機会を失う。レベルが上がるにつれて調整を減らしていくべきだという点、また「単にゆっくり大きな声で話すこと」ではないという点が問われる。
初級クラスで、教師が「あしたの テストは、しゅくだいの ところから でます。……わかりましたか。しゅくだいの、ところ、です」と話す。既習の語だけを使い、文を短く区切り、大事な部分を繰り返して、最後に理解を確かめている。文法は崩さず、正しい日本語のまま速さと語の選び方を調整している点がティーチャートークの特徴である。
同じ連絡を中級クラスでは「明日のテストは、宿題で扱った範囲から出題します」と、ほぼ自然な速さと語彙で伝える。学習者のレベルが上がるにつれて調整を減らし、教室の外で耳にする日本語に近づけていく。どこまで調整するかは、学習者の反応を見ながらその場で判断する。
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