学習者の誤りを含む発話を、教師が正しい形に言い直して返す暗示的な訂正フィードバック。「きのう学校に行きます」に対して「ああ、きのう学校に行ったんですね」と返すのがこれにあたる。
会話の流れを止めず、学習者の面目を保ったまま正しい形を示せるのが利点。一方で、学習者が訂正されたと気づかず単なる相づちや内容の確認と受け取ってしまうことがあり、気づきにつながりにくいという指摘が繰り返しなされている。
リスターとランタ(Lyster & Ranta)の分類では、訂正フィードバックはリキャストのほかに、誤りを明示する明示的訂正、規則を説明するメタ言語的フィードバック、言い直しを促す引き出し(elicitation)、「え、なんですか」と聞き返す明確化要求、誤りの直前まで繰り返す繰り返しに分けられる。名称と具体例の対応が要点。
学習者「きのう、映画を見るに行きました。」教師「あ、映画を見に行ったんですね。何を見たんですか。」このように教師は誤りを指摘せず、正しい形を会話の中に織り込んで返し、そのまま話を続ける。学習者がこの言い直しに気づいて自分の発話と比べられれば、正しい形を取り込むきっかけになる。
同じ誤りに、ほかのフィードバックを使うこともできる。「見るに、ではなく見に、です」と言えば明示的訂正、「『に行く』の前は、ます形から『ます』を取った形になりますね」と言えばメタ言語的フィードバック、「映画を見……?」と途中で止めて続きを言わせれば引き出しにあたる。
読んだ用語を1冊で引き直す・体系で押さえ直すなら。