学習者の誤りにどう対応するかという指導上の判断。いつ・何を・どのように直すかを、活動の目的に応じて選ぶ。
原則は、流暢さを目標とする活動の最中は訂正を控え、正確さを目標とする活動では明示的に扱うということ。スピーチや自由会話の途中で逐一直せば発話意欲を削ぎ、逆に文型練習で誤りを放置すれば定着してしまう。訂正する項目も、その日の学習目標や、意味が通じなくなる誤りを優先して絞る。
意味のやり取りを中心にしつつ、必要な瞬間だけ形式に注意を向けさせる考え方をフォーカス・オン・フォームと言い、形式だけを取り出すフォーカス・オン・フォームズと区別される。「誤用はすべてその場で直すべき」も「一切直すべきでない」も誤り。誤用は学習者の中間言語の発達段階を示す手がかりでもある。
自由会話の時間に、学習者が「日本の夏はとても暑いでした」と言った。教師はその場では直さず、話の内容に応じて会話を続け、気づいた誤りをメモしておく。活動のあとで、何人かに共通していた誤りを取り上げ、「暑かったです」の形をクラス全体で確認する。話す意欲を保ちつつ、正確さにも目を向ける進め方である。
一方、イ形容詞の過去形を練習する文型練習の時間に同じ誤りが出たら、その場で正しい形を示して言い直させる。この活動の目標が正確さだからである。同じ誤りでも、活動の目的によって、直すかどうか、いつ直すかの判断が変わる。教師は活動を始める前に、その活動のねらいが流暢さか正確さかを決めておく。
読んだ用語を1冊で引き直す・体系で押さえ直すなら。