母語話者が非母語話者に向けて話すときに現れる、簡略化・調整された話し方。ゆっくり話す、区切りを多くする、語彙をやさしくする、繰り返す、といった調整が特徴で、母語話者が意識せずに行っていることが多い。
調整には有効なものとそうでないものがある。速度を落とす・言い換える・冗長にして情報を補うといった調整は理解を助けるが、助詞を落とす、「ニホンゴ ジョーズ ネ」のように文法を壊す、辞書形だけで話すといった非文法的な簡略化は、誤ったインプットを与えるため学習には有害とされる。
教室内で教師が行う調整はティーチャートークと呼び分ける。フォリナー・トークは教室外の一般の母語話者による調整を指すのが基本。クラッシェンのインプット仮説の文脈では、理解可能なインプットを生む調整として肯定的に位置づけられる。
駅で道を聞かれた日本人が、相手が外国人だと分かると、ゆっくり区切りながら「この道を、まっすぐ行って、二つ目の信号を、右です」と話す。さらに地図を指さしたり、同じことを別の言い方で繰り返したりする。こうした調整は相手の理解を助けるもので、フォリナー・トークの有効な面にあたる。
一方、相手を外国人と見ると「アナタ、ドコ、行ク?」「コレ、ダメ」のように助詞や活用を省いて話す人もいる。分かりやすくしようとする気持ちから出た言い方でも、文法を崩した日本語は学習者に誤った形を聞かせることになる。また、相手を子ども扱いしているように受け取られることもある。
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