個別の言語ではなく、言語そのものに共通する性質を明らかにしようとする分野。特定の言語の記述(日本語学・英語学)を超えて、人間の言語がどんな仕組みで成り立っているかを扱う。
扱う層によって音声学・音韻論・形態論・統語論・意味論・語用論に分かれ、社会との関係を見る社会言語学、心理過程を見る心理言語学、言語どうしを比べる対照言語学が周辺に広がる。近代言語学の出発点はソシュールで、言語を体系として捉える態度がここで定まった。
日本語教育では、日本語の特徴を「日本語だけを見ていては分からないもの」として位置づけ直すために要る。膠着語である・SOV型である・主要部が後ろに来るといった記述は、いずれも他の言語と並べて初めて意味を持つ。
日本語の「は」と「が」の区別だけを見ていると、日本語に特有の難しさに見える。しかし他の言語と並べてみると、主題を示す形式をもつ言語は日本語のほかにもあり、韓国語にも「은/는」と「이/가」という似た区別がある。日本語の特徴を他の言語の中に置き直して見るのが、一般言語学の視点である。
教師が「日本語は主語を言わない変わった言語だ」と説明すると、学習者の母語によっては的外れになる。スペイン語や中国語でも、文脈で分かる主語を言わないことがある。一般言語学の知識があると、日本語の特徴を大きすぎも小さすぎもせずに説明でき、学習者の母語についての決めつけも避けられる。
読んだ用語を1冊で引き直す・体系で押さえ直すなら。