一つの語形が互いに関連する複数の意味をもつのが多義語。「あたま」(頭部→先頭→人数→思考力)、「あまい」(味→採点→ねじの締まり)のように、中心的な意味から比喩などによって意味が広がっている。
これに対し同音異義語は、語源も意味もまったく別の語がたまたま同じ音になったもの(こうえん=公園・講演・後援・公演、きかん=期間・機関・器官)。辞書では、多義語は一つの見出しの中に複数の語義として、同音異義語は別々の見出しとして立てられる。
見分ける鍵は意味のつながりがあるかどうか。日本語は漢語に同音異義語が多く、耳だけでは区別しにくいため、話し言葉では「私立=わたくしりつ」「化学=ばけがく」のような言い換えが起こる。多義語は、既習の意味に引きずられて新しい用法が理解できない原因にもなる。
「かける」は、「壁に絵をかける」「眼鏡をかける」「いすにかける」「時間をかける」と、さまざまな意味で使われる。授業では、ものを何かに取り付けるという意味を中心に置き、ほかの用法とのつながりを図にして示すと、学習者が新しい用法に出会ったときの手がかりになる。一つずつ別の語として覚えさせるより、つながりを示すほうが記憶の負担も軽くなる。
「きしゃ」は、記者・汽車・帰社・貴社と、音が同じで意味の関係がない語が並ぶ同音異義語である。会話では文脈で区別できることが多いが、手がかりが少ないと学習者は音だけでは判断できない。漢字を見れば区別がつく点も、同音異義語の特徴として示しておく。聴解では、前後の語から意味を絞り込む練習が必要になる。
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