語彙は互いに関係づけられて体系をなす。上位語と下位語は包含関係にあり(「果物」が上位語、「りんご・みかん」が下位語)、下位語は上位語の性質を受け継ぎながら、より限定的な意味をもつ。
類義語は意味が近いが用法や語感の異なる語(のぼる/あがる、うつくしい/きれい、しかし/でも)で、完全に置き換えられるものはまれである。対義語には、程度が連続する反対関係(大きい⇔小さい)、一方を否定すれば他方になる相補関係(合格⇔不合格)、視点が逆になる逆関係(行く⇔来る、売る⇔買う)がある。
「大きくない=小さい」とは言えないのに「合格しなかった=不合格」とは言える、という違いが反対関係と相補関係の区別であり、ここが問われる。語彙指導では、語を一つずつ覚えさせるのではなく、上下関係・類義・対義の網の中に位置づけて教えることが効果的とされる。
「暑い⇔寒い」は程度が連続する反対関係なので、「暑くも寒くもない」と言える。「生きている⇔死んでいる」は相補関係で、その中間は普通考えない。「教える⇔教わる」は同じ出来事を逆の立場から言う逆関係である。対義語を教えるときは、どの関係かによって中間があるかないかが変わる。
語彙の授業で「家具」を中心に「いす・机・たんす」を書き出させ、さらに「いす」の下に「ソファー・ベンチ」を置かせる。上位語と下位語の階層を作らせると、知っている語と新しい語を関係づけて覚えられ、説明に困ったときに上位語で言い換える力にもつながる。「ソファー」という語が出てこなくても「座る家具」と言い換えられれば、会話を止めずにすむ。
読んだ用語を1冊で引き直す・体系で押さえ直すなら。