言語習得を習慣形成ではなく、規則を発見し内在化していく能動的な認知過程と捉える立場。認知コード学習理論とも呼ばれ、チョムスキーの言語生得説(生成文法)を背景に、1960年代以降オーディオリンガル・メソッドへの批判として広まった。
学習者は与えられた言語資料から仮説を立てて検証しており、誤用もその過程で必然的に生じるものだと考える。したがって規則の意識的な理解や、意味を伴った練習が重視される。学習者を受け身の反応装置ではなく、意味を作り出す主体と見る点が転換点である。
文法説明を扱うからといって文法訳読法への回帰ではない点に注意。目的はあくまで運用につながる規則の内在化であり、翻訳による読解ではない。
教師が「食べる→食べた」「見る→見た」「書く→書いた」「読む→読んだ」の例を板書し、学習者に「どんな規則があると思いますか」と問いかける。学習者は例を見比べて仮説を立て、「飲む」「聞く」に当てはめて確かめる。規則を自分で見つけ、意味のある文の中で使ってみるという流れが、認知学習理論に立った授業の一例である。
学習者が「来る」の過去形を「来った」と言ったとする。認知学習理論では、これを悪い習慣ではなく、学習者が自分の見つけた規則を広げて使ってみた結果と見る。誤用は、学習者がどんな仮説を持っているかを知る手がかりになる。教師は規則の当てはまらない例を示し、学習者が自分の仮説を修正できるよう導く。
読んだ用語を1冊で引き直す・体系で押さえ直すなら。