慣れ親しんだ文化的な手がかり(あいさつ、距離のとり方、暗黙のルールなど)が通じない環境に置かれたときに生じる、不安・混乱・いらだち・無力感などの心理的反応。文化人類学者オバーグ(Oberg)が広めた概念とされる。
単なる「驚き」ではなく、自分の行動の指針が失われることによるストレス反応である。頭痛・不眠・過度の疲労といった身体症状や、ホスト社会への強い批判、母国の理想化といった形で現れることもある。
重要なのは、これが異常ではなく適応過程で誰にでも起こる正常な段階だという捉え方。教育の場では、本人の努力不足や性格の問題として扱わず、時期に応じた支援を行うことが求められる。
来日3か月の留学生が授業を休みがちになり、休み時間に「日本人は冷たい」「国の料理のほうがずっとおいしい」と繰り返すようになったとする。これは単なるわがままではなく、慣れた手がかりが通じない環境でのストレス反応として見ることができる。教師は注意する前に、生活や睡眠の様子を聞き、必要なら相談先につなぐことを考える。
あいさつのしかた、列の並び方、店での会計の流れといった小さな違いでも、積み重なると疲れや不安につながる。一つひとつは大きな出来事でなくても、行動の指針が次々に揺らぐことが、カルチャーショックの中身である。教師はこうした違いを授業で話題にし、学習者が戸惑いを言葉にできる機会をつくることもできる。
読んだ用語を1冊で引き直す・体系で押さえ直すなら。