異なる文化をもつ社会で生活するなかで、心理的な安定と社会的な機能を回復・獲得していく過程。異文化接触による文化や行動の変化そのものは文化変容(アカルチュレーション)と呼ばれる。
ベリー(Berry)は、「自文化を保持するか」と「ホスト社会との関係をもつか」という2つの軸を組み合わせ、文化変容の態度を統合・同化・分離・周辺化の4類型に整理した。両方が高い統合がもっとも適応的とされる。
4類型はどれが誰の態度かを入れ替える選択肢に注意。同化=自文化を手放してホストへ、分離=自文化を守りホストと関わらない、周辺化=どちらも失う、と定義で押さえる。適応は移住者だけの課題ではなく、受入れ側(ホスト社会)の変化も含む双方向の過程である。
ベリーの4類型を、日本で暮らす家族に当てはめてみる。家庭では母語と自国の行事を大切にしながら、職場や学校では日本人とも積極的に関わる家族は統合にあたる。自国の言葉や習慣をやめて日本式の生活だけにする場合は同化、同じ国の人とだけ付き合い日本社会と距離を置く場合は分離にあたる。
どの態度をとるかは、本人の選択だけで決まるわけではない。母語を話すと周囲から嫌な顔をされる地域では、統合を望んでいても、同化か分離を選ばざるをえないことがある。ホスト社会の受け入れ方が、適応のあり方を左右する。教師は、学習者の態度を本人の性格だけで説明しないようにしたい。
読んだ用語を1冊で引き直す・体系で押さえ直すなら。