教材や課題が、教室の外の現実の言語使用にどれだけ近いかという性質。実際の駅の時刻表を読んで乗り継ぎを考える、本物の求人広告から条件を選ぶといった課題は真正性が高い。
真正性の高い素材(レアリア・生教材)は、学習者にとって取り組む理由がはっきりし、教室で学んだことが外の世界とつながる。評価の場面でも、実際にできることを見取るパフォーマンス評価の根拠になる。
注意点は、素材が本物であることと課題が適切であることは別だという点。難しい生教材をそのまま渡すのではなく、素材の難しさは変えずにタスクの側で難易度を調整するのが定石。「初級では生教材は使えない」という選択肢は誤りで、必要な情報だけ拾わせる課題にすれば初級でも使える。
初級クラスで、地域で実際に配られているごみ収集カレンダーを配り、「燃えるごみは何曜日に出しますか」と尋ねる。カレンダーは住民向けに作られたもので、書き換えていない。漢字が多くても、曜日と品目の対応だけを探す課題にすれば初級の学習者にも取り組める。生活で必要になる読み方を、教室で先に経験できる。
反対に、教科書の会話文を読んで「田中さんは何時に来ますか」に答える問題は、学習のために作られた素材と課題なので真正性は高くない。ただし、真正性が低いことはそれだけで悪いことではなく、文型を確実に練習する段階では学習用の素材が役に立つ。どの段階でどの素材を使うかを、目的に合わせて選ぶことが大切になる。
読んだ用語を1冊で引き直す・体系で押さえ直すなら。