文化への近づき方は3つに整理できる。一つの文化を内側から描く単一文化的視点、複数を並べて違いを見る比較文化的視点、そして文化と文化が接触する場で何が起きるかを見る異文化間的視点。
異文化間教育が扱うのは3つめ。比較して違いを並べるだけでは、接触の場で生じる摩擦・交渉・変化そのものは捉えられない、という問題意識に立っている。
ある国の文化を内側から詳しく紹介するのが単一文化的視点、「日本とその国のあいさつの違い」を表にして並べるのが比較文化的視点にあたる。これに対して、日本の職場で働くその国出身の社員と日本人の同僚が、休憩の取り方をめぐってどう話し合い、どう歩み寄ったかを見るのが異文化間的視点である。
多国籍クラスで、ある学習者の冗談が別の学習者を怒らせたとき、「この国の人はこう、あの国の人はこう」と違いを並べて説明するだけでは、その場で何が起きたのかは分からない。互いがどう受け取り、どう誤解を解こうとしたか、その後の関係がどう変わったかを振り返ることが、異文化間的視点での見方になる。
読んだ用語を1冊で引き直す・体系で押さえ直すなら。