母音は口の中で息の流れをさえぎらずに作る音なので、子音のように「どこを狭めたか」では分類できない。用いる観点は舌の前後の位置・舌の高さ・唇の丸めの3つ。
日本語では「い」が前舌の狭母音、「あ」が広母音、「う」が後舌の狭母音。日本語の「う」は英語などに比べて唇の丸めが弱いのが特徴で、学習者の発音指導ではここが手がかりになる。
「い」と「う」はどちらも口の開きが狭い狭母音だが、「い」は舌の前のほうが盛り上がり、「う」は舌の後ろのほうが盛り上がる。鏡の前で「い・え・あ・お・う」と続けて言うと、口の開きと舌の位置が順に変わっていくのが分かる。学習者に自分の口の動きを観察させると、五つの母音の関係がつかみやすくなる。
英語やフランス語を母語とする学習者が「う」を強く唇を突き出して発音すると、日本語らしく聞こえにくいことがある。「くうき」「すう」などを、唇をあまり丸めずに言う練習をすると日本語の「う」に近づく。教師がまず手本を見せ、自分と学習者の唇の形を見比べさせるとよい。
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