練習問題 第1597問 — 区分5 言語
次の問いに対して、最も適切なものを一つ選びなさい。
次の四つの文の指示詞のうち、用法がほかの三つと違うものはどれですか。
○答えと解説を見る
正解: ② あのときの店、おいしかったね
この問題のテーマ:現場指示と文脈指示の見分け
「あのときの店、おいしかったね」の「あの」だけが文脈指示で、ほかの三つは現場指示です。コソアド系の指示詞の用法は、現場指示と文脈指示の二つに分かれ、この二つで働き方がまったく違います。現場指示は目の前の対象を指す用法で、話し手の領域はコ、聞き手の領域はソ、どちらからも遠いものはアという縄張りで使い分けます。「この本を取って」「あの山を見て」「そこの棚に置いて」は、いずれも話している場にある本や山や場所を、手で示すように指しています。これに対して「あのときの店、おいしかったね」の「あの」は、目の前にある店ではなく、話し手と聞き手が共有する記憶の中の店を指しています。文脈指示では、物理的な距離ではなく情報の共有状態で使い分けが決まり、ア系は両者が共有する記憶を指す正規の用法です。「ア系は遠いものを指すから、文脈指示では使えない」という説明は誤りで、学習者は、現場指示は比較的早く習得しても、文脈指示のソとアの使い分けでつまずきます。