会話の中で話す順番(ターン)が話者の間で受け渡されていく仕組み。サックスらの会話分析で、順番の交替は無秩序ではなく規則的に組織されていることが示された。
順番が交替しうる場所(移行適格場)で、現在の話し手が次の話し手を指名する、指名がなければ他の参加者が自ら取る、誰も取らなければ現在の話し手が続ける、という順で優先される。沈黙の許容時間、重なりの扱い、話し始めの合図(視線・語尾の調子)は言語・文化によって異なる。
隣接ペア(質問→応答、あいさつ→あいさつ)のように、先行発話が特定の応答を強く求める組み立ても会話分析の基本概念。日本語は文末まで聞かないと肯定か否定かが分からないため、学習者が交替のタイミングをつかみにくい、という指摘が指導上のポイントになる。
Aさんが「昨日の映画、どうだった?」とBさんを見て言うと、Bさんが答える。ここではAさんが質問によって次の話し手をBさんに指名している。Aさんが「昨日の映画、よかったなあ」とだれも指名せずに言った場合は、その場のだれが話し始めてもよく、だれも話さなければAさんがそのまま話を続ける。順番はこのような優先の順で受け渡されていく。
日本語では文末まで聞かないと肯定か否定かが分からないため、学習者は相手の話が終わったのか、まだ続くのかを判断しにくい。その結果、早く話し始めて相手の話を遮ってしまったり、反対に待ちすぎて話す機会を逃したりすることがある。会話練習では、文末の形や間の取り方に注意を向けさせることが手がかりになる。
読んだ用語を1冊で引き直す・体系で押さえ直すなら。