「先生は私を手伝ってあげました」の誤り — 日本語教員試験 応用試験 練習問題 第54問(基本60問)
次の学習者の産出例・質問を読んで、問いに対して最も適切なものを一つ選びなさい。
学習者が、先生に宿題を手伝ってもらった経験を「先生は私を手伝ってあげました」と表現した。
この誤りの説明として最も適切なものはどれか。
○答えと解説を見る
正解: ① 話し手が恩恵を受けた出来事に、与え手側の視点の「てあげる」を使っている
この問題のテーマ:授受表現の視点
授受表現は話し手の視点が組み込まれた表現の体系です。自分が先生の行為を恩恵として受けたことは、「先生が手伝ってくれました」(与え手が主語)や「私は先生に手伝ってもらいました」(受け手が主語)で表し、敬意を示すなら「手伝ってくださいました」「手伝っていただきました」とします。「てあげる」は、自分から他者への行為や第三者間の行為を、与え手の側から述べる表現です。この事例のように、他者が自分のためにしてくれた行為を、自分が恩恵を受けた経験として述べる場合は、「手伝ってあげました」ではなく「手伝ってくれました」などと表します。誰から誰へ恩恵が向かい、どちらを主語に立てるのかを矢印で図示して整理する指導が考えられます。