二つの言語を混ぜて話す生徒と担任の心配 — 日本語教員試験 応用試験 練習問題 第14問(基本60問)
次の事例を読んで、問いに対して最も適切なものを一つ選びなさい。
日本の中学校に通う外国につながる生徒Hさんは、家庭では親と母語で話し、学校では日本語、きょうだいとは二つの言語を混ぜて話す。担任は「言語が混ざるのは発達に良くないのではないか」と心配している。校内研修の資料には、二つ以上の言語を使う子どもが相手や話題によって言語を切り替えたり混ぜたりすることはよくあり、それを見ただけで言語発達の遅れや障害を判断することはできないこと、家庭の言語を使い続けることが日本語の習得を妨げるとは言えないことが説明されている。
担任への助言として最も適切なものはどれか。
○答えと解説を見る
正解: ① 言語の切り替えや混用は二言語話者に見られる使い方で、それだけで発達の問題とはいえないと伝える
この問題のテーマ:コードスイッチング
二言語話者が相手・場面・話題などに応じて言語を切り替えたり混ぜたりすることをコードスイッチングと呼びます。二言語話者に見られる言語使用であり、それだけで発達上の問題を示すものではありません。家庭での母語使用は日本語の発達を妨げるとは言えず、母語で育った概念や読み書きの力は第二言語にも生きるとされます(カミンズの相互依存仮説)。母語は親子のコミュニケーションとアイデンティティの基盤でもあり、「家庭でも日本語を」という助言は、善意であっても親子の対話を損なうおそれがあります。