やさしい読み物を大量に読むことで、読解の流暢さと語彙・文法の定着をはかる学習法。精読(一文ずつ丁寧に分析する読み方)と対になる。
実践では①やさしいものから読む ②辞書を引かない ③分からないところは飛ばす ④つまらなければやめて次へという原則が共有されている。理解可能なインプットを大量に浴びるという発想はクラッシェンのインプット仮説と通じ、読むこと自体を楽しむ経験が動機づけを支える。
成立の条件はレベル別読み物(多読用図書)がそろっていること。難しい素材を辞書なしで読ませても挫折するだけで、「辞書を引かない」は素材が易しいことと一体の原則である。理解の確認テストを課すと精読に戻ってしまうため、記録と共有にとどめるのが一般的。
教室の本棚に、レベル別に色分けした読み物を並べる。授業の20分間、学習者はそれぞれ好きな本を選んで読み、分からない語があっても辞書を引かずに先へ進む。途中でつまらないと感じたら、別の本に替えてよい。読み終えたら記録用紙に題名とひとことの感想を書くだけで、内容を確かめるテストは行わない。
一文ずつ文法を確かめながら読む精読とは、読む量も目的も違う。精読では一つの文章を細かく理解することが目標になるが、多読ではたくさん読むことで、読む速さや、繰り返し現れる語や表現への慣れを育てることがねらいになる。読む量を増やすために、学習者が自分で本を選べることも大切にされる。
読んだ用語を1冊で引き直す・体系で押さえ直すなら。