依頼する・断る・謝る・許可を求めるといった、言語で何をするか(言語機能)を軸に学習項目を配列したシラバス。ウィルキンズ(Wilkins)の概念・機能シラバス(notional-functional syllabus)に由来し、コミュニカティブ・アプローチの広がりとともに定着した。
「時」「量」「因果」といった概念を軸にする概念シラバスと合わせて論じられることが多い。同じ「依頼」でも相手や場面によって表現の丁寧さが変わるため、待遇表現やポライトネスの指導と結びつけやすい。
難点は、機能ごとに必要な文法が難易度順に並ばないこと。初級で「断る」を扱おうとすると、まだ習っていない複雑な形式が必要になる。そのため構造シラバスと組み合わせて使われるのが普通である。
「依頼する」という単元で、友人に「ちょっと手伝って」、同僚に「手伝ってもらえる?」、上司に「手伝っていただけないでしょうか」と、相手によって形を変えて練習する。文型としては「て形」「〜てもらえる」「〜ていただけないでしょうか」と難易度の違うものが一度に並ぶ。
「断る」を扱う場合、日本語では「その日はちょっと……」のように言いさしで理由をほのめかす断り方がよく使われる。機能シラバスでは、こうした言語の働きと、それに伴う相手への配慮の示し方を合わせて学ぶことができる。学習者は形だけでなく、相手を気づかう気持ちを言葉でどう示すかも学ぶことになる。
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