情報を一時的に保持しながら、同時にその情報を処理する記憶の仕組み。作動記憶・作業記憶とも呼ばれる。バドリー(Baddeley)らのモデルが広く知られ、音韻ループ・視空間スケッチパッド・中央実行系などの構成要素が想定されている。
定義の核は「保持」と「処理」の同時進行であり、単に短時間ためておくだけの短期記憶とは区別される。聴解で前の内容を覚えながら次を聞き取る、読解で前文の情報を保ちながら指示語を解釈する、といった場面で働き、容量には個人差がある。
記憶の全体像は、感覚記憶 → 短期記憶(ワーキングメモリ)→ 長期記憶(宣言的記憶=意味記憶・エピソード記憶/手続き的記憶)という流れで整理される。長期記憶への定着には、機械的な繰り返し(維持リハーサル)より、意味づけや関連づけを伴う精緻化リハーサル、間隔をあけて繰り返す分散学習、思い出す練習(検索練習)が有効とされる。