ロザノフ(Lozanov)が提唱した教授法。暗示(サジェスチョン)の力で学習を妨げる心理的な壁を取り除けば、潜在的な能力が引き出されると考える。ゆったりした椅子・やわらかい照明・バロック音楽といった環境づくりと、学習者が新しい名前や役柄を与えられて演じることが特徴。
認知面よりも情意面を重視する人間中心の教授法群(ヒューマニスティック・アプローチ)の代表例。同じ系譜には、教師がほとんど話さず色分けした棒(ロッド)とチャートで学習者自身に発見させるサイレント・ウェイ(ガテーニョ)、教師がカウンセラー役となり学習者の話したいことを訳して支えるコミュニティ・ランゲージ・ラーニング(カラン)がある。
3つの名前と提唱者・特徴の組み合わせを入れ替えた選択肢に注意。音楽=サジェストペディア/沈黙とロッド=サイレント・ウェイ/カウンセリング=CLLと対で覚える。
照明をやわらかくした教室に、ゆったりした椅子が並ぶ。学習者は授業の初めに日本人としての新しい名前と職業を与えられ、その人物として会話文を読む。教師は音楽を流しながら会話文を読み上げ、学習者は対訳を見ながら聞く。緊張をほぐし、学ぶことへの不安を減らすための工夫が授業の随所に置かれている。
新しい名前と役柄を与えるのは、間違えても自分自身ではなく役の人物が間違えたと感じられるようにして、発話への抵抗を下げるためだと説明される。学習者が安心できる雰囲気をつくることが記憶や理解を助けると考えるのが、この教授法の特徴である。授業の雰囲気そのものが、教材と同じくらい重い意味をもつ。
読んだ用語を1冊で引き直す・体系で押さえ直すなら。