ロング(Long)が提唱した、習得を進めるのは一方的なインプットではなくやりとり(インターアクション)の中で生じる意味交渉だとする主張。相互交流仮説とも訳される。
会話が通じないとき、話し手と聞き手は聞き返し・確認要求・言い換え・繰り返しなどを行う。この意味交渉(negotiation of meaning)によって、インプットが学習者に理解可能な形に調整され、同時に自分の言えない部分への注意も向く。
「理解可能なインプットが重要」という点はクラッシェンと共通するが、それがどこから生まれるかの説明が違う(一方向の入力か、双方向のやりとりか)。この差を無視して両者を入れ替えた選択肢が出るので注意。ペアワークやインフォメーション・ギャップ活動の理論的根拠として引かれる。
学習者が「駅の近くに大きい…えっと、本を買う店がある」と言い、相手が「本屋さん?」と確認し、学習者が「はい、本屋さん」と返す。このやりとりで、相手は学習者の言いたいことを理解し、学習者は「本屋」という語に出会う。確認要求や言い換えを通じて、インプットが学習者に分かる形に調整されていく過程が意味交渉である。
インフォメーション・ギャップ活動で、ペアの一方だけが地図を持ち、もう一方に道順を説明させると、「すみません、もう一度」「二つ目の角ですか」といった聞き返しや確認が自然に起こる。課題を達成するために意味交渉が必要になるよう活動を設計することが、この仮説を授業に生かす方法の一つとされる。
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