日本語の書き表し方については、内閣告示・訓令の形でよりどころが示されている。主なものは常用漢字表、現代仮名遣い、送り仮名の付け方、外来語の表記、ローマ字のつづり方。いずれも一般の社会生活における目安であり、強制力のある規格ではない。
送り仮名の付け方(1973年告示・1981年一部改正)は通則1〜7からなり、活用のある語は活用語尾を送る(書く・美しい)のが基本原則。許容も広く認められ、「申し込み」を「申込み」「申込」と書くのは、読み間違えるおそれのない複合語で送り仮名を省くことを認めた通則6の許容である。これとは別に、「取締役」「書留」のように慣用が固定して送り仮名を付けない名詞は通則7で定められている。外来語の表記(1991年告示)は、一般的に用いる仮名を第1表(シェ・チェ・ティ・ファ・ジェ・ディなど)、原音や原つづりになるべく近く書き表そうとする場合に用いる仮名を第2表(イェ・ウィ・クァ・トゥ・ヴァ・ヴィなど)に分けて示す。
ローマ字のつづり方は令和7年(2025年)内閣告示第4号が現行。昭和29年(1954年)の旧告示は第1表(訓令式)と第2表(ヘボン式・日本式)の二表立てだったが、改定で「本表」の一表にまとめられ、社会で実際に使われている shi・tsu・chi・fu・ji などいわゆるヘボン式に一致するつづりが採用された。いずれの告示も一般の社会生活における目安であり、法的拘束力はなく、各分野の既存の取り決めに直ちに変更を求めるものでもない。
学習者が書類に「申し込み」「申込み」「申込」のどれを書けばよいか迷ったら、「送り仮名の付け方」には本則のほかに許容があり、どれか一つだけが正しいわけではないと示す。そのうえで、学校や勤め先の書式に合わせるのが実際的だと説明する。同じ文書の中で書き方をそろえることも、あわせて指導しておきたい。
日本人の氏名をパスポートと同じローマ字で書く場面のように、表記は各分野の取り決めに従うことがある。表記の告示はあくまで一般の社会生活の目安であり、すでにある各分野の取り決めに直ちに変更を求めるものではないことを、具体的な場面とともに押さえておく。ローマ字のつづり方は個人の姓名について当事者の意思を尊重するよう配慮するとしているので、すでに決まったローマ字で名前を書いている人に、告示を理由に書き方を変えるよう求める必要はない。
読んだ用語を1冊で引き直す・体系で押さえ直すなら。