多くの言語に共通して見られる性質。グリーンバーグは多数の言語を調べ、「ある特徴があれば別の特徴もある」という形の含意的普遍性を数多く示した。VSO型なら前置詞を持つ、といった記述がこれにあたる。
一方チョムスキーは、人間が生まれつき持つ言語の枠組みとして普遍文法を想定した。グリーンバーグの普遍性が多くの言語を集めて帰納的に見つけるものであるのに対し、普遍文法は理論的に想定されるものである。由来が違うので、この2つを同じものとして扱う選択肢は誤り。
第二言語習得では、普遍文法が第二言語の学習にも働くのかという問いとして現れる。臨界期仮説や自然習得順序仮説をめぐる議論の背景にある考え方でもある。
含意的普遍性は「AならばB」の形をとるので、逆が成り立つとは限らない。「VSO型なら前置詞を持つ」は、前置詞を持つ言語がすべてVSO型だという意味ではなく、英語のようにSVO型で前置詞を持つ言語もある。選択肢を読むときは、条件と結果の向きが入れ替わっていないかを確かめる。
母語の違う学習者が、似た順序で文法項目を身につけていくように見えることがある。こうした観察は、言語の習得にも人間に共通の仕組みが働いているのではないかという問いにつながり、普遍文法をめぐる議論と結びつけて論じられてきた。習得研究の仮説を学ぶときの背景知識になる。
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