日本語教員プラネット 日本語教員試験 対策の問題集

直接法(ちょくせつほう)

区分4 言語と教育 ・ 日本語教員試験の用語

学習者の母語や共通語(=媒介語)を用いず、目標言語だけで目標言語を教える方法。19世紀末の言語教授改革運動の中で、文法訳読法への反動として広まった。ベルリッツの語学学校が普及に大きな役割を果たした。

母語を介さず、実物・絵・動作・場面から意味を直接つかませるため、音声とやり取りが早くから育つ。その代わり、抽象語や文法規則の説明に時間がかかり、教師には高い目標言語運用力が求められる。子どもが母語を身につける過程をモデルにしたナチュラル・メソッドや、グアン(F. Gouin)が一連の動作を表す文の連なりで教えたサイコロジカル・メソッド(シリーズ・メソッド、連続法)も、この流れに位置づけられる。

日本語教育では、特定の教授法名としてよりも「媒介語を使わない指導」という広い意味で「直接法」と言うことが多い。オーディオリンガル・メソッドと同一視する選択肢は誤りで、こちらは指導技術ではなく媒介語を使うかどうかの区別である点がひっかけどころ。

具体例

初級クラスの最初の授業で、教師はりんごの実物を見せながら「りんご」と言い、学習者に繰り返させる。続いて二つ並べて「りんごが二つあります」と言い、指で数を示す。説明に学習者の母語や英語は使わず、意味は実物と動作と場面から推測させる。母語の異なる学習者が集まるクラスでも、同じ進め方で授業ができる。

「きのう」「あした」のような時間の語はカレンダーを指しながら導入できるが、「意見」「責任」のような抽象語は実物で示せない。直接法ではこうした語を例文や場面の積み重ねで理解させるため、説明に時間がかかり、教師の工夫が問われる。絵や動作で示した意味を学習者が取り違えていないか、確かめる手立ても必要になる。

混同しやすい語との違い
押さえどころ
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もっとくわしく: 教授法の流れ — それぞれが何を重視し、何を捨てたのかこの用語を含むテーマを、通して読める解説記事です
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