スウェイン(Swain)が提唱した、話す・書くという産出(アウトプット)そのものが習得を促進するという主張。カナダのイマージョン教育で、豊富なインプットを浴びた児童でも文法的正確さが十分に育たなかった観察が出発点になっている。
アウトプットの機能として①気づき機能(言いたいのに言えない部分に気づく)②仮説検証機能(試して反応を見る)③メタ言語的機能(言語について考え話し合う)の3つが挙げられる。
インプット仮説を否定するものではなく補完する位置づけ。「聞けば分かるのに話せない」学習者の説明に使われ、インプット仮説との対比・入れ替えに注意。
授業で週末にしたことを話そうとした学習者が、「友だちと…あの、何と言いますか…」と言葉に詰まる。このとき、言いたいことと言える力の差に本人が気づき、その後のインプットで「〜に行ってきました」という表現に注意が向くようになる。アウトプット仮説が挙げる気づき機能の具体例である。
作文に「先生に本をくれました」と書いた学習者が、教師から「先生が本をくれた? それとも先生に本をもらった?」と聞き返され、「先生に本をもらいました」と書き直す。自分なりの使い方を試しに出してみて、相手の反応から確かめ直すのが仮説検証機能である。また、ペアで作文を見せ合いながら「ここは『が』と『に』のどちらがいいか」と話し合うのは、言語について考え話し合うメタ言語的機能の例として整理できる。
読んだ用語を1冊で引き直す・体系で押さえ直すなら。