ガードナーとランバート(Gardner & Lambert)による第二言語学習の動機づけの分類。目標言語の話者や文化に近づきたい・その社会の一員として認められたいという動機が統合的動機づけ、就職・進学・資格・昇給など実利的な目的による動機が道具的動機づけである。
日本人ともっと交流したい、日本の社会に溶け込みたいという理由で学ぶのが統合的、就労や試験合格のために学ぶのが道具的にあたる。アニメや日本の文化が好きという理由は、作品や文化そのものへの関心であって、目標言語の話者や社会への志向とは限らないため、それだけで統合的とは決められない。かつては統合的動機づけの方が持続的で成果に結びつくとされたが、学習環境や地域によっては道具的動機づけが強く働くことも示されており、どちらが優れていると単純に言えるものではない。
心理学一般の内発的/外発的動機づけとは切り口の異なる分類であり、この2組を混同した選択肢に注意。「統合的=内発的」とそのまま結びつけないこと。
日本の大学院に進学するために日本語能力試験の合格が必要で学び始めた学習者は、道具的動機づけが中心にあるといえる。一方、日本人の友人ともっと深く話したい、日本の地域社会に溶け込みたいという思いで学ぶ学習者は、統合的動機づけが中心にある。実際には、一人の学習者が両方を同時に持っていることも珍しくない。
就労のために来日した学習者のクラスで、仕事の場面で使う表現を中心に扱うと、学習者の目的と授業の内容が結びつきやすい。これは道具的動機づけの観点から説明できる。教師が学習者の動機を把握するには、ニーズ分析やレディネス調査の中で「なぜ日本語を学ぶのか」を尋ねておくことが手がかりになる。
読んだ用語を1冊で引き直す・体系で押さえ直すなら。