留学生や労働者としてではなく、地域社会で生活を営む住民として外国人を捉える言い方。2006年ごろから公の文書で用いられるようになり、翌2007年には文化審議会国語分科会に日本語教育小委員会が置かれた。
背景にあるのは1990年の入管法改正である。在留資格「定住者」が設けられて日系の人々が就労の制限なく暮らせるようになり、日本語教育の主題が留学生から生活者へ広がった。
この捉え方にもとづき、生活場面の課題遂行を軸にした標準的なカリキュラム案や、地域の体制づくり事業が組み立てられている。「就労のための日本語」に限定する記述はひっかけ。
日本の会社で働く外国人も、退勤後は保育園に子どもを迎えに行き、スーパーで買い物をし、町内会の回覧板を受け取る。仕事の日本語だけでは暮らしの課題は解決しない。生活者として捉えるとは、こうした地域の暮らしの場面全体を日本語教育の対象として見ることである。
この捉え方から、「医療機関を利用する」「災害に備える」といった生活上の行為を単位に学習内容を組み立てる発想が生まれた。文型の難易度順ではなく、生活のなかで何ができるようになるかを軸にする点が特徴になる。学習者一人ひとりの暮らしに必要な場面から順に扱えるのも、この考え方の利点である。
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