遠隔教育における教師と学習者の隔たりを、物理的な距離ではなく心理的・コミュニケーション上の距離として捉える理論。この距離が大きいほど、誤解が生まれたり学習が続かなくなったりしやすいと考える。
距離の大きさを決めるのは対話(やり取りの量と質)・構造(コースがどれだけ作り込まれているか)・学習者の自律性の3つ。対話が多いほど距離は小さく、構造が固い(作り込まれて柔軟性が低い)ほど距離は大きい。自律性が低い学習者に対しては、対話を増やし授業を柔軟に調整して距離を小さくするのが原則になる。
この大小の関係を逆にした選択肢に注意。関連して、遠隔でも対面と「同型」ではなく「同価値」の学習経験を用意すべきだとする同価値理論、学習者が「そこにいる」と感じられるかを扱うプレゼンス理論(社会的存在感、探求の共同体では社会的・教授的・認知的の3つの存在感)も併せて問われる。
動画と課題が細かく作り込まれ、決められた順番どおりに進めるしかないオンラインコースで、教師からの連絡も少ないと、学習者は「だれにも見てもらえていない」と感じて途中でやめてしまうことがある。構造が固く、対話が少ないために、交流距離が大きくなっている状態と説明できる。
一人で計画を立てて学ぶことに慣れていない学習者に対しては、教師が週に一度ビデオ通話で進み具合を聞いたり、課題の締め切りや分量を学習者の状況に合わせて調整したりする。対話を増やし、コースの柔軟性を高めることで、交流距離を小さくしようとする工夫である。
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