2つの言語に触れて育ちながら、そのどちらも年齢相応の水準に達していない状態。ダブルリミテッドとも呼ばれ、日常会話は流暢なのに教科学習についていけない、という形で現れることが多い。
カミンズの敷居仮説では、両言語がともに低い水準にとどまると認知面にマイナスに働き、両方が高い水準に達すると認知面にプラスに働く、と説明される。生活言語能力(BICS)は2年ほどで伸びるのに学習言語能力(CALP)は5〜7年かかるという指摘とあわせて、外国につながる子どもの支援の根拠として扱われる。
「会話が流暢だから日本語支援は不要」という判断が典型的な誤り。また、この状態を子どもの能力不足や母語の使用が原因と見るのは誤りで、母語を切り捨てる減算的な環境こそが要因とされる。用語自体に否定的な含みがあるとして使用を避ける立場もある。
小学3年生で来日した子どもが、1年後には休み時間に友だちと日本語で楽しく話せるようになった。しかし算数の文章題や理科の教科書になると意味がつかめず、テストの点が伸びない。家では母語を使う機会が減り、母語でも年齢相応の語彙が育っていない。こうした状態が半言語状態として説明される。
担任の教師が「もう日本語は話せるから支援はいらない」と判断すると、教科学習の遅れが見過ごされやすい。会話の流暢さ(BICS)と、教科の学習に使う言語の力(CALP)は伸びる速さが違うため、会話ができるようになったあとも学習言語の支援を続けることが必要になる。
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