既に持っている言語(多くは母語)の知識が第二言語の学習に影響することを言語転移という。習得を助ける方向に働く場合が正の転移、誤用につながるなど妨げる方向に働く場合が負の転移(母語干渉)である。
漢字圏出身の学習者が初級から読解で有利になるのは正の転移、英語母語話者が「私は行きました、図書館に」のような語順を出すのは負の転移の例。転移は音声・語彙・文法・語用のすべての層で起こる。
ひっかけの定番は「母語の影響はすべて習得を妨げる」「転移は音声にしか起こらない」「上級になれば完全に消える」といった言い切り。いずれも誤り。また、誤用のすべてが母語起因ではなく、学習者に共通して現れる言語内の誤りとの区別も重要である。