日本語教員プラネット 日本語教員試験 対策の問題集

ピジンとクレオール(ぴじんとくれおーる)

区分2 言語と社会 ・ 日本語教員試験の用語

ピジンは、共通の言語をもたない集団が交易や労働の現場で意思疎通するために生まれた混成語。語彙は優勢な言語(英語・フランス語など)から取り、文法は大幅に簡略化される。伝統的な分類では、母語話者がいないことが特徴とされる。

そのピジンが使われる社会で子どもが生まれ、それを母語として習得するようになったものがクレオール。母語化にともなって語彙が増え、時制や複文などの文法体系が整い、生活の幅広い場面で使われる言語になる。標準語の影響を受けてクレオールが標準語に近づいていく過程は脱クレオール化と呼ばれる。

伝統的な分類では、両者は「母語話者がいるかどうか」で分けられ、簡略化の度合いや話者数では分けない。ただし、実際の接触言語の分類や成り立ちには議論があり、ピジンの段階を経ずにクレオールが形成されたとする見方もあるなど、母語話者の有無だけで両者をいつも明確に分けられるとは限らない。なお、母語の異なる者どうしが共通語として用いる言語は、使われ方に着目してリンガフランカ(今日の国際英語など)と呼ばれる。ピジンがリンガフランカとして使われることもあり、二つは別の観点からの呼び方である。ピジンにも規則があり、クレオールも文法体系をもつ言語なので、「不完全な言語」「文法のない言語」といった評価的な記述は誤り。

具体例

共通の言語をもたない人々が同じ農園で働くことになり、作業の指示や売り買いのために、支配的な言語の単語を借り、語の形や文の組み立てを大幅に単純にした言葉で話すようになる。だれもそれを家庭で最初の言語として身につけたわけではなく、仕事の場で必要なことを伝えるために使っている。これがピジンの典型的な姿である。

そのような場所で生まれた子どもたちが、親の使うピジンを最初の言葉として身につけて育つと、それは生活のあらゆる場面で使われるようになり、語彙が増え、時制や複文を表す仕組みが整っていく。母語話者をもつようになったこの言語がクレオールである。ハイチ・クレオール語などがその例として知られる。

混同しやすい語との違い
押さえどころ
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もっとくわしく: 多言語社会と言語政策 — 複数の言語が接触するとき、何が起きるのかこの用語を含むテーマを、通して読める解説記事です
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