ピジンは、共通の言語をもたない集団が交易や労働の現場で意思疎通するために生まれた混成語。語彙は優勢な言語(英語・フランス語など)から取り、文法は大幅に簡略化される。母語話者がいないのが決定的な特徴である。
そのピジンが使われる社会で子どもが生まれ、それを母語として習得するようになったものがクレオール。母語化にともなって語彙が増え、時制や複文などの文法体系が整い、あらゆる場面で使える完全な言語になる。標準語の影響を受けてクレオールが標準語に近づいていく過程は脱クレオール化と呼ばれる。
境目は「母語話者がいるかどうか」の一点。簡略化の度合いや話者数ではない。なお、母語の異なる者どうしが共通語として用いる言語一般はリンガフランカ(今日の国際英語など)と呼ばれ、確立した言語がその役を担う点でピジンとは区別される。「不完全な言語」「文法のない言語」といった評価的な記述は誤り。