ある語が敬意を表すために繰り返し使われるうちに、その敬意がしだいにすり減っていく現象。敬意が薄れると、話し手はより敬意の高い新しい形式を求め、敬語形式が次々に交替していく。
「貴様」「お前」がもとは相手を高める語だったのに現在は対等以下の扱いになっていること、「〜てやる」「きさま」の変化などが典型例。丁寧さを補うために「〜させていただく」のような形式が多用され、やがて過剰と受け取られていくのも同じ動きとして説明される。
敬語の「乱れ」に見える現象の多くが、規範からの逸脱ではなく敬語体系の自然な新陳代謝である、という見方につながる。試験では敬意が上がる方向に書き換えた選択肢が誤り。