「わたし」「ここ」「きのう」「この」のように、発話の場面(だれが・いつ・どこで話しているか)を基準にしないと指すものが決まらない表現の働き。直示ともいう。
人称ダイクシス(わたし・あなた)、時間ダイクシス(きのう・あした・今)、場所ダイクシス(ここ・そこ・こちら)に大別され、談話内の位置を指す談話ダイクシス、待遇関係を示す社会的ダイクシス(敬語)を立てる立場もある。
「あした行きます」と書かれたメモは、いつ書かれたかが分からないと解釈できない — これが典型例である。日本語では人称詞が省略されやすく、また発話時を基準とする「きのう」と出来事を基準とする「前日」の使い分けも必要になるため、報告文や引用の指導で問題になる。