ウチとソトの敬語運用 — 日本語教員試験 応用試験 練習問題 第10問(基本60問)
次の事例を読んで、問いに対して最も適切なものを一つ選びなさい。
ビジネス日本語の授業で、社外からの電話に応対する練習をした。授業資料には、尊敬語は話題の人物の動作や状態についてその人物を立てる表現であり、一般的な社外向けの応対では、自社の人物には役職にかかわらずこの表現を用いないと書かれていた。また、「いらっしゃる」は「いる」などに対応する尊敬語で、「いらっしゃいません」は丁寧な非過去の否定形として正しく活用された形だと説明されていた。学習者Eさんは、取引先から自社の上司である田中部長あての電話を受け、「田中部長は今、いらっしゃいません」と応対した。教師は、授業資料に照らして、この応対を見直すことにした。
この応対のうち、「いらっしゃいません」の問題点の説明として最も適切なものはどれか。
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正解: ③ 取引先に自社の上司のことを話す場面で、その上司を尊敬語で高めている
この問題のテーマ:ウチとソトの敬語運用
一般的な社外向けの電話応対では、取引先に対して自社の上司を尊敬語で高めず、「田中はただいま席を外しております」のように、謙譲語や丁重語を使って述べます。「いらっしゃいません」は尊敬語「いらっしゃる」に丁寧語「ます」の否定が付いた現在の形で、活用の誤りでも普通体でもありません。問題は、話題の人物が自社の人(ウチ)で、相手が社外の人(ソト)である場面で尊敬語を使った点です。なお、社外に対しては「田中部長」ではなく「部長の田中」「田中」と呼ぶのが一般的です。敬語の選択にはウチ・ソトの関係のほか、相手との関係や場面なども関わります。