何十回書いても漢字が覚えられない学習者 — 日本語教員試験 応用試験 練習問題 第39問(基本60問)
次の事例を読んで、問いに対して最も適切なものを一つ選びなさい。
非漢字圏出身の初級学習者が「漢字は複雑な絵にしか見えません。ノートに何十回書いても、次の日には忘れています」と訴えている。このコースでは、初級の段階から身近な漢字の読み書きを学ぶことになっている。
指導の工夫として最も適切なものはどれか。
○答えと解説を見る
正解: ① 漢字を部首などの部品に分け、既習の語や意味と結びつけて示す
この問題のテーマ:非漢字圏学習者への漢字指導
この学習者は漢字を「複雑な絵」として見ており、書き写すだけでは覚えられないと訴えています。部首などの構成要素(部品)に分け、意味や成り立ち、既習の語や文脈と結びつけて示すと(「休」を「休みます」の中で覚える等)、意味のあるまとまりとして捉えやすくなります。書き取りの回数を増やす方法や、形を分けずに丸ごと覚えさせる方法は、字を「複雑な絵」として見ている状態を変えません。漢字を上級まで先送りすると、初級から身近な漢字の読み書きを学ぶというこのコースの方針に合いません。反復筆記そのものを一律に無効とするのではなく、「読めればよい漢字」と「書ける必要がある漢字」を分けるなど、目標と学習者の状況に応じて方法を組み合わせます。