教えた「て形」が使えない学習者と教師の振り返り — 日本語教員試験 応用試験 練習問題 第20問(基本60問)
次の事例を読んで、問いに対して最も適切なものを一つ選びなさい。
初級クラスで「て形」を丁寧に導入し練習もしたのに、数週間たっても多くの学習者が正確に使えない。担当教師は「自分の教え方が悪かったのか」と落ち込んでいる。研修資料には、授業で先に取り上げた形式が先に使えるようになるとは限らず、学習者側の発達段階も習得に関わるという研究上の見方が紹介されていた。担当教師は、この見方も踏まえて授業を振り返ることにした。
第二言語習得研究の知見に基づく説明として最も適切なものはどれか。
○答えと解説を見る
正解: ② 指導順と習得順が一致するとは限らず、誤りだけで指導の失敗とは断定できない
この問題のテーマ:習得順序と指導の効果
習得順序や発達段階に関する研究は、教えた順序や時期のとおりに正確な使用が身につくとは限らないことを示しています。誤りを含みながら変化していく学習者の言語は中間言語と呼ばれます。ただし、この事例の不正確さの原因を発達の道筋だけに決めることもできません。理解の程度、課題の難しさ、練習や使用の機会を確かめ、同じ形式に場面を変えて何度も触れられるよう計画し(らせん型(スパイラル)のシラバス)、長い目で経過を見ます。指導直後の正確さだけで、教え方や学習者の努力を責めることはできません。